第4回男の合唱祭りinみやぎ
こぼれ話

 2003年1月19日、仙台市青年文化センターコンサートホールにおいて、「第4回男の合唱祭りinみやぎ」が行なわれ、合唱団Palinkaも2年連続3度目の参加をさせて頂きました。(第2回はなんとクリスマスイブに行なわれたため、団員の諸事情?により参加せず)昨年はメンバーの都合もあり13名で黒人霊歌2曲を歌ったのですが、今年は新メンバーの加入や助っ人参加のメンバーも加わり、25名でのにぎやかな顔ぶれとなりました。ありがたいことです!


当日朝の巻

 当日、朝9:30にホールのロビー集合ということでしたが、いつもながら集まりがよくない!(これが仙台時間ってやつですね。あまり誇れない文化だなあ)と、ここでメールが入り、S木君が熱を出して参加できなくなったとの一報が!これはとても残念です。9:30でいったんメンバーで挨拶。
(ここではPalinka初代会計で今回東北学院大学グリークラブOBで参加するために来られたT村さんや、Y崎さんの会社の後輩で先日の東北大学男声合唱団の定期演奏会を聴いて感動し、男声合唱をやりたくなったというK野さんが当日参加のメンバーとして紹介されていました。)

 (SecondのY村さんは当日朝の飛行機で九州の福岡より仙台に来るという強行スケジュールでした。本当にご苦労様でした)
 
 さて、リハーサル室である楽屋へ移動。ここで今回仙台に初登場のSue Sea FourのメンバーI尾さん、O田さん、W邉さん、I野さんも合流。(前日のレストランパリンカでのコンサートも良かったです!)30分のリハーサル(仕上がりはまずまずかな?)の後、各人が掛け持ちの団体のリハーサルへと向かって行きました。
(なんと、参加団体27団体のうち、10団体に今回Palinkaで歌ったメンバーがいました)

 私も東北学院大学グリークラブOB合唱団、合唱団Epice男声の練習へ。今回は掛け持ちの団体での練習がカブッたところはなかったようです。実行委員の方々の配慮に感謝です。


第一部の巻

 12:00よりいよいよ開演です。この「男の合唱祭りinみやぎ」では、当日の抽選で出演順が決まります。順番が決まると垂れ幕のような形で各団体の団体名が書かれた紙が出演順にダァーーーー!(アントニオ猪木ではない)ッと掲げられるのです。
(なんと!その字を書いているのは指揮者のCさんなのです。うーん達筆!)

 今回の抽選では、遠く大阪からもメンバーが来ているSue Sea Fourさんとそのメンバーが参加する合唱団Epiceは飛行機の時間を考慮して順番をあらかじめ設定してもらいました。あとは合唱団Palinkaの順番次第です。

 抽選が進んで行く中でなかなか1番が埋まらず、「まさか1番じゃないだろうな」、などと思っていると、石巻メンネルコールさんが1番を引き、ここで大きな歓声が!しかし、後ろの方の番号ばかりが残っており、ちょっとまずいかなというところで、Palinkaの番です。Cさんがくじを引くと、なんと「26番!」

「オイオイ、それを引いちゃあまずいっスよーーー!」と心の中でツッコミを入れつつ、×サインをCさんに送りました。
Cさんもそれに気づいて「しまった!」とオロオロしてました(笑)
Cさんとして、1番はどうしても避けたいという思いが強かったようで、その念の強さがかえって裏目にでてしまったようですね(笑)

 結局、光城合唱団さんと順番を交換してもらい、最終的にPalinkaは7番目ということになりました。
 
出演順は下記の通りです。(色付きはPalinkaのメンバーが出演していた団体です)

出演順 団体名 指揮者 伴奏者 人数
1 石巻メンネルコール 山田正明   18名
2 片平童謡に親しむ会 山村清子 能登アツ子 6名
3 男声カルテットS・T4     6名
4 パナーシュ・クワイヤー 大橋靖彦   10名
5 コール・ツェルコーヴァ 小野敦史   8名
6 仙台放送合唱団     15名
7 合唱団Palinka 千葉敏行   25名
8 みちのく 佐藤忠則 小林康浩 4名
9 ザ・グレインズ     4名
10 若林混声合唱団「ヤングウッド」 鈴木徹 佐々木ゆき子 10名
11 いずみオッチェンコール 大泉勉   30名
12 えずこ男声合唱団 細淵誠一 細淵元 13名
13 合唱団「こんちの」 前田千枝子 八木和子 10名
14 東北大学男声合唱団OB会 岡ア光治   30名
15 Sue Sea Four     4名
16 クール・リュミエール 戸田靖男   10名
17 D51合唱団   小林康浩 12名
18 合唱団こだま 中山繁樹   13名
19 合唱団コール・ユーベル 工藤欣三郎 八木和子 10名
20 HKジュニアコーラスGサンズ 曽我道雄 永沢ふみ 7名
21 合唱団Epice 早川幹雄   22名
22 ミモザ・ボーイズ 海鋒博美 海鋒美由紀 10名
23 仙台合唱団 ヤングボーイズ   小林康浩 6名
24 東北電力ミッターゲッセンコール 今井邦男   15名
25 東北学院大学グリークラブOB合唱団 千葉敏行   40名
26 光城合唱団     5名
27 メサイヤを歌う会 工藤欣三郎      

 昨年はT野さんが3団体連続で出演(東北電力、Palinka、学院グリーOB)になる珍事がありましたが、よくよく考えてみると、今年もしPalinkaが26番であったら2年続けてで3団体連続出演になっていたんですね。あとでT野さんに聞いたところ、Cさんが26番を引いたときはものすごくあせったそうです(笑)

 抽選も終わり、続いて全体合唱で前全日本合唱連盟東北支部長の斎藤先生指揮による「秋のピエロ」を演奏し、各団体の演奏のスタートです。

 全部で27団体の参加があり、人数、メンバーの構成、年齢層、曲のレパートリーなど多種多様にわたっていました。
その中でも特に私が印象に残った団体をあげてみると・・・・・・・、

1.石巻メンネルコール・・・「柳河風俗詩・第弐」より梨、「追憶の窓」より雨後(多田武彦)
  
今回が初参加。かつてはコンクールなどにも参加していた。私も生演奏ははじめて聴きました。指揮者の山田先生の指導が行き届いているようで、曲づくり、アンサンブル共によくまとまっていて、しっとりとした「タダタケ」の演奏でした。これだけ歌える男声合唱団なら、もっと仙台の行事でも是非演奏してもらいたいものです。

2.片平童謡に親しむ会・・・「春の足おと」「宮城野萩」(海鋒義美)、「どんと祭」(福井文彦)
  
昨年に続いての参加でしたが、1年間で素晴らしく上達されていました。前回のときは指揮者に引っ張られている感が強かったのですが、今年は自分たちで楽しんで歌っている感じが伝わってきましたし、声量も各段に上がっていて「この伸びはスゴイ!」と感服した演奏でした。

4.パナーシュ・クワイヤー・・・「ヴォルガ下り」、「ヴィヴラ・カンパニー」
 
県北で活躍する男声合唱団。2曲目の音取りの音を間違えて取りなおすというアクシデントで場内爆笑!「ヴィヴラカンパニー」の替え歌ヴァージョンは笑えました。「キリンビール飲もうよ、ヴィヴラカンパニー!」「酒は一の蔵だよ、ヴィヴラカンパニー!」というスポンサーをたたえるフレーズに拍手!岡ア光治先生もとてもこの演奏に感心していたようです。

6.仙台放送合唱団・・・・「東洋民謡集T」よりシンデイーリャ(池辺晋一郎)
 
今回は内モンゴル民謡の曲を演奏。とても民族色を出すのが大変そうな曲をよくこなしていました。発声なども独特のものがあるようで、これは難しい曲だなあ、と思いました。

7.合唱団Palinka・・「合唱のためのコンポジションV」より艪(間宮芳生)、「アカシヤの径」(多田武彦)
 
さて、いよいよPalinkaの出番です。考えてみると艪の演奏は実に第3回演奏会以来10年ぶりになるんですね。今回は入りのソリストにあえてBassのE藤氏を抜擢し、今までの演奏とはまた違う演奏効果を狙ってみましたが、これはおもしろかったですね。全体を通して若干Tenor系が弱かったかなあというきらいはありますが、まずまずの演奏といったところです。漁師の情景が伝わる演奏はできたかな、と思っています。
 2曲目の「アカシヤ」のほうが響きがまとまっていたかなあと個人的には思います。M神さん、Y野さんのソロも味があってよかったです。
 昨年の演奏はややパワーに任せていた感がありましたが、今回は剛と柔、変幻自在といった感じで、2つのカラーが出せたような気がします。そして何といっても、昨年の倍の25名でステージに乗ることができたことが何よりうれしかったですね!

8.みちのく・・・・・・・・・「人間の歌」(山ノ木竹志)
 
昨年は「明日があるさ」を演奏し、声もか細い感じだったのですが、1年間で見違えるほどの上達ぶり。自身をもって堂々とした演奏をしていました。はっきりと歌詞のメッセージが伝わってくるいい演奏でした。

9.ザ・グレインズ・・・・Sometimes Ah feel like a mother-less chile、Swing down Chaiot(黒人霊歌)
 
30年ほど前にヤングリバーというグループ名で歌っていたカルテット。ゴールデンケイトの黒人霊歌を演奏。ここはうまかったッス!ベース系の響き、アンサンブルがとても見事。「ロックンロール、ロックンロール」のフレーズがとても印象に残っていますね。T野さんに聞いたところでは、私と同じ東北学院大学グリークラブのOBの方たちだそうです。この演奏は私の中で正直当たりでした。

11.イズミ・オッチェンコール・・「遠くへ行きたい」(中村八大)、「行け思いよ黄金の翼に乗って」(G.Verdi)
 
平均年齢60歳を超すシルバー合唱団。胸ポケットに初心者マークをつけたステージコートを着用。ここも昨年からの1年間でめざましい上達をしていました。2曲目は指揮者の大泉先生が大好きな曲なのだそうで、その思いが団員にも浸透しているからか、とても熱のこもった演奏をしていました。

14.東北大学男声合唱団OB会・・「心に翼を」より、みちのくで生きる(岡ア光治)
 
12月の東北大学男声合唱団第50回定期演奏会で100名を超す現役・OBで初演された委嘱作品「心に翼を」を作曲者でOBの岡ア光治先生の指揮で演奏。私は今回はじめてこの曲を聴いたのですが、かなりの難曲ですね。今回は人数が30名程度での演奏でしたが、委嘱作品ということもあり、1人1人が思い入れをもって曲に取り組んでいるという印象を強く持ちました。「みちのくは、みちの奥・・・」のフレーズが印象に残っていますが、これからもどんどん歌って行っていただきたいものです。

15.Sue Sea Four・・・・・・・・・I've been workin' on the railroad、Smilin' Through(バーバーショップ)
 関西を中心に活躍するバーバーショップカルテット。
メンバーは全員関西学院グリークラブのOB。今回仙台に初登場!パフォーマンス等も交えながら、1曲目は軽いサウンドで、2曲目はしっとりと素晴らしいハーモニーの演奏をしていました。残念ながらまだ仙台ではバーバーショップハーモニーというジャンルがあまり浸透していないこともあり、お客さんも最初は「あれあれ?」というような反応でしたが、2曲目はじっくり聴いていたようでした。もう1曲演奏する時間があれば、もっと反応がよかったかなあという点が惜しまれますが、仙台に新しい男声合唱の風を吹き込んだ演奏であったと思います。

17.D51合唱団・・・・・・・・・・・「八木節」(群馬県民謡)、「署名とおふくろさん」(小林康浩)

 今回も「現場の声」でのパワーあふれる演奏を披露。1曲目は「八木節」をギター伴奏付きで演奏。まさにオールフォルテッシモの演奏でした。2曲目はおふくろさんへの思いとメッセージを込めた曲を演奏していました。まさに熱演、メッセージがストレートに伝わってくる演奏でした。

21.合唱団Epice・・・・・・・・・・「Die Nacht」(シューベルト)、「富士山」より作品第弐拾壱」(多田武彦)
 参加団体27団体中、もっとも平均年齢が若い合唱団。(ちなみに2番目はPalinkaでしょうか?ちなみに私も歌ってました)第1回以来の参加です。シューベルト、富士山ともに終始安定した演奏ができたと思います。混声合唱団の男声の音色ではなく、しっかり男声合唱団の音になっていたと諸先生、先輩方に言っていただけたのがうれしかったですね。

24.東北電力ミッターゲッセンコール・・・・「柳河風俗詩・第弐」より、水路、みなし児
 今回は全日本合唱コンクール全国大会銀賞の実績をひっさげての登場!タダタケの「柳河風俗詩・第弐」を演奏しました。人数はやや少なめでしたが、メロディーラインもよく見えて、安定したハーモニーの演奏でした。やけに若手のメンバーが多いなあとは思いましたが、あとで団員のT野さんに聞いたところ、「今回は合唱をはじめて2年ぐらいしかたっていないメンバーが多かったんだよ」とのこと。とてもそうとは思えない演奏でした。今井先生のつくりもさすが、といったところでしょうか。

25.東北学院大学グリークラブOB合唱団・・Steal away to Jesus、Go down,Moses(黒人霊歌)
 こちらも12月に創団100周年記念演奏会で現役・OBで合同演奏した十八番の黒人霊歌を演奏。演奏会のときとは別の指揮者(Cさん)での演奏でした。演奏会の時よりもかなりこなれた、説得力のある演奏であったと思います。(PalinkaのY野さんに後で感想を聞いたら、「今までのCさんの指揮の演奏の中で一番感動した」と言っていました)

26.光城合唱団・・・・・・・・・・・「遠くへ行きたい」(中村八大)、「おおスザンナ」(フォスター)
 我らがRッシーさん率いる光城合唱団男声は今回も非常に「味のある」演奏をしていました。「遠くへ行きたい」の最後の難しい和音も決まっていましたし、「おおスザンナ」もはじめ若干ふらつく部分もありましたが、軽いサウンドでいいアンサンブルだったと思います。客席で聴いていた岡ア先生が大変感心した様子で拍手をしていました。


全団体の演奏が終わり、第一部のシメとして今井邦男先生の指揮による「柳河」を演奏し、(O野さんのソロはさすがでした。ブラボー!)第1部が終わりました。


第2部の巻

 さて、いよいよメイン(?)の第二部(早い話が飲み会でんがな)ですが、いつものごとく「乾杯の歌」を歌ってのスタートです(私とT野さんは歌詞がわからずほとんど母音のみで歌っていました(笑)。全体合唱を交えながらの楽しいパーティーとなりました。いろいろ歌ったのですが(山田正明先生の指揮による「最上川舟唄」、今回聴きに来られていた石見先生の指揮による「雨」、海鋒先生指揮の「斎太郎節」・・・・etc)ですが、もっともインポクトがあったのはなんといっても、仙台の男声合唱界のカリスマ!岡ア光治先生の指揮による「大地讃頌」でした!

 はじめは普通にはじまったのですが、「母なる大地を〜」と歌い始めると、突然岡ア先生が曲を止めました。そこで一言、

「母なるお酒を懐にと歌いましょう!」と一升瓶を抱えて指揮を振り始めたのです!

そうです!「大地讃頌」ならぬ、「お酒讃頌」のスタートです。
「お酒を愛せよお酒に生きる」「人の子ら酒に感謝せよ」
「お酒をほめよ、たたえよ酒を」「母なるお酒をAh--!、たたえよお酒をAh---!」

 いやーー!素晴らしい歌でしたねえ。岡ア先生もスポンサーの一の蔵の社長さんもご満悦でした。
(私とT野さんは岡ア先生に握手までしてもらっちゃいました)

 今回は遠くから東海メールクワイヤーの役員の方も演奏を聴きに来ていて、お話もされていましたが、しきりに「みなさんにはジャムカ(日本男声合唱協会)に入っていただきたい!」と連呼していました。
 
 東北電力の方々や、その他の合唱団の団員や指揮者の方々ともいろいろと話すことができ、とても楽しい飲み会でした。


 第4回目を迎えた「男の合唱祭りinみやぎ」も、すっかり定番の行事として定着した感があります。各団の演奏曲目も最初の頃は愛唱歌のようなものが中心だったのが、それぞれの団の持ち味を生かした曲が増えてきました演奏のレベルも間違いなく上がってきていますね。それとなんといっても、演奏者が他団の演奏をしっかり聴いており、満員のお客の前で歌うことが出来ることもすばらしいことだと思います。是非来年も参加したいものです。

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